通りに生けられた庭
◆ご要望
通りに面した旅館のリニューアル。
道行くお客様に向け、開放的な明るいお庭を。これを前提としたお庭づくりです。
植栽を入れたい一方で、花壇のような、いかにも作為的な見た目にはしたくない
玄関前のタイルの高さにも馴染むようにしてほしい
施主様からは、こうした具体的なイメージをお聞きしました。
加えてこのスペース内には、水道メーターの設備があります。これをうまく処理しつつの施工が求められました。
◆After
◇全体を通して
元々広くないところに、さらに水道設備の入った小さなスペース。
施工方法が限られる中での工夫をしました。
整然とした生野石の石積み。豊岡の山の風景を思わせる、表情豊かな神鍋石の石組み。
これらを組み合わることで、格式と、自然の奥行をそなえた仕上がりとなりました。
石積みは植栽に必要となる土留めとして、石組みは玄関前までの高さのつなぎとして、それぞれ役割を果たしています。
御影石の囲い
周りを井戸のように囲うことで、水道のメーターが見えないようにしています。
外から見える部分には御影石を使い、その上から竹で編んだ蓋を被せることで、庭全体では和の趣が加わる形でまとめました。
◇植栽
細くも存在感ある線をもつ、アオダモとミツバツツジ。
さわやかながら落ち着いた建物の外壁を背景に、自然樹形の2本を植栽しています。育った環境に適応して伸ばされた枝ぶりからは、新しい外壁にも映える、しなやかな生命力が感じられます。
春先には、ミツバツツジの紫色の花が、通りを行く人々の目に留まるでしょう。
◆Before
外壁改修 前
画面奥
ブロックで囲われた、水道メーター
外観改修 後